
タラバガニの魅力完全ガイド!カニじゃないって本当?部位・重量の選び方から調理、蟹味噌の真実まで

更新日:2025年09月05日
タラバガニは極厚のかに身が人気の「カニの王様」です。おすすめの食べ方や通販の方法はもちろん、誤って知られれている真実「実はヤドカリの仲間であること、カニ味噌はあること、脚は10本あること」を徹底解説します。
目次
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1.
タラバガニとは? -
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生物学的な分類はヤドカリ -
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名前の由来 -
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一番の身体的特徴は大きさ -
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淡白で食べ応えのあるカニ身 -
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カニ味噌は存在する -
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生息地 -
2.
他のカニとの違い -
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ズワイガニ -
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毛ガニ -
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花咲ガニ -
3.
タラバガニの美味しさの秘密 -
4.
タラバガニの選び方と価格 -
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加工:姿、ポーション、肩脚 -
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状態:ボイル、冷凍、活き -
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漁期、旬 -
5.
おすすめの食べ方 -
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おすすめレシピ
タラバガニとは?
生物学的な分類はヤドカリ
タラバガニは「十脚目・異尾下目(ヤドカリの仲間)」に分類されます。脚は8本に見えますが、本当は10本。最後部の一対はとても小さく、甲羅の内側に折りたたまれていて外からは見えません。主に小さな足はエラを掃除する役割を担っています。
名前の由来
和名は「鱈場蟹(たらばがに)」。その名の通り、かつて鱈(タラ)が多く獲れる“鱈場”で水揚げされたことに由来します。
一番の身体的特徴は大きさ
食用カニの中でも最大級で、一番の特徴はその大きさ。甲羅の幅が30cm超、足を広げると1m超になる個体も。太い繊維質の身は弾力があり、噛むほどに旨みが広がります。見た目の豪快さに反して味わいは上品で、誰でも食べやすいのが魅力です。
淡白で食べ応えのあるカニ身
タラバガニの最大の魅力は、太く長い脚にぎっしり詰まった肉厚の身です。その味わいは淡白でクセのない味わいが特徴です。バターや醤油、ガーリックなど濃いめの味付けにもピッタリ合います。また、高たんぱく・低脂肪で、ビタミンB12や亜鉛などのミネラルも豊富。免疫力アップや貧血予防にも役立つ、栄養面でも嬉しい食材です。
カニ味噌は存在する
カニ味噌は「中腸腺(ちゅうちょうせん)」という内臓です。タラバガニにも活きの状態であればカニ味噌は多く存在します。ただ、茹でるなど加熱しても味噌が固まらず流れ出てしまうため、ほとんど食されることはありません。
どうしても食べたい場合は、活きの姿(一杯丸ごと)のタラバガニを購入して、流れ出ないように加熱すれば食べることができます。

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生息地
生息地は水深150〜400mの冷たい海域に生息しています。日本では主に北海道が名産地として知られています。海外ではアメリカやノルウェー、カナダ、ロシアも一大産地です。特にノルウェーはアジア向けに空輸による活きタラバ画の輸出も行うなど近年より力を入れています。

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他のカニとの違い
ズワイガニ
濃厚なカニ味噌と食べ応えのあるカニ身、両方を兼ね備えたのがズワイガニです。山陰地方で穫れる越前ガニや松葉ガニは高級ブランドとして知られています。

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毛ガニ
全身に短い毛が生えており、小ぶりながら濃厚なカニ味噌とコクのある旨味を感じられるカニ身が人気です。

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花咲ガニ
日本では根室地方だけで夏限定で穫れる希少なカニです。北海道の昆布を食べて育つため昆布出汁の味がカニ身に染み込んでおり、独特な甘みを楽しめます。タラバガニと同様にヤドカリの仲間に分類されます。
タラバガニの美味しさの秘密
タラバガニは貝類、小魚、甲殻類などを餌としています。これらの栄養豊富な餌によって、身に甘みと旨みが蓄えられます。漁場によって餌の種類が異なるため、微妙な味の差も楽しめます。
タラバガニの選び方と価格
タラバガニの価格は、「加工(一杯まるごと、肩脚、ポーションなど)×サイズ×産地×状態(冷凍、生、活き)×時期」によって大きく異なります。
加工:姿、ポーション、肩脚
姿 (一杯丸ごと)
国産の活きタラバガニで4〜8万円超、外国産の冷凍タラバガニが2〜5万円が価格相場になります。(いずれも1杯3~4kg前後)
肩付き脚
1kgあたり1万円〜2万円前後が相場です。サイズが大きくなるとkg単価が上昇する傾向にあります。
ポーション(むき身)
1kgあたり2〜3.5万円程度が多いでしょう。ポーションも同様にサイズが大きくなると単価が上昇します。
タラバガニの商品一覧 >状態:ボイル、冷凍、活き
生や活き
非冷凍の活きや生は鮮度が重要なため、冷凍よりも高価になる場合が多いです。単価目安は1kgで15,000〜30,000円前後。
冷凍
鮮度が良い状態で急速冷凍するため、長期保存でも美味しく食べられます。一方で、船上で冷凍される場合が多いので、加熱調理済みまたは加熱必須が多いです。価格目安は、同サイズの生より2〜3割ほど安い場合が多いです。

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漁期、旬
国内産(北海道産)は流氷明けの春(3〜5月)が主です。一方、ロシアやアメリカなどの輸入タラバガニは秋から冬にかけてが旬となります。ただし、タラバガニは産地によって漁期や身入りのピークは異なるので注意が必要です。

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おすすめの食べ方
おすすめレシピ
- かに刺し:活きであれば可能な贅沢品。鮮度が良いタラバガニの甘みは一度食べたら病みつきでしょう。
- 焼き:表面を香ばしく。身は温める程度に。
- 蒸し:水分を守りつつふっくら。日本酒を少量ふって香りづけ。
- かにしゃぶ:出汁は薄めにして身の甘みを主役に。
- バター醤油:王道。最後にさっと絡めるのがコツ。
- 天ぷら/フライ:火入れは短く、余熱で仕上げ。

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著者:長谷川
カニ総本店 松菱のバイヤーとして、全国を飛び回る一人。今年も北海道のタラバガニから沖縄のヤシガニ、鳥取・福井のズワイガニ、香箱ガニ、花咲蟹、タラバガニ、毛蟹まで現地に赴き市場調査。「今後、全国の隠れた逸品を更に増やしていく予定です。全国の海から直送する多種多様な美味しいカニを楽しんでいただけると嬉しいです」(プロフィール)
国産の活きタラバガニを扱う高級カニ専門のバイヤーの私が実際に食べて、調理して感じたことをまとめました。 極太のカニ身を豪快に食べる快感は私も大好きです。